受験シーズンになると、「何点取れば志望校に合格できるのか」と聞かれることがあります。
無論大体の目安はお話しできますが、正確な所は受けてみないとわかりません。
これは合否判定というものが、志望校を受験した集団の中からの優劣で合否を決めるからです。
例えば、あなたが本番のテストで80点を取ったとします。
80点といえば高い得点なので、どこでも合格できそうではありますが、しかし受験の平均点が80点だったら、
あなたはその集団ではとびきり良い成績ではないという事になります。
もしも平均点が85点だったら、ひょっとしたら合格さえも危ういかもしれません。
つまり、受験ではその集団の中で、あなたがどの位置の得点を取るかで、合否が決まります。
何点取るかではなく、何番にいるかが大事なのです。
集団の中の位置を数値化したものを偏差値と言います。
偏差値をざっくりと説明すると、平均点50点のテストで50点を取ると偏差値は大体50になります。
当然に50点を超えると50より高くなり、50点より低いと50以下になります。
偏差値を知ることで、受験者がどのくらいのレベルなのかを知るための数値として利用することで、
事前に合格の推定や点数を上げるための弱点克服などに結び付けやすくなります。
偏差値とは集団の中の現在位置のようなもの
先ほど集団の中の位置を数値化したものが偏差値と説明しました。
よくある学校別偏差値ランキングなんかを見ると、偏差値ごとに上から順番に学校が並んでいるのを見かけることがあると思います。
通常偏差値は、テストから導かれますが、よく見ると偏差値が微妙に違うことに気が付くと思います。
何故違うのかというと、偏差値が集団の位置である以上、偏差値を出すための元になった母集団(偏差値を取得する元になる集団)によって
数字の変動が起こり得るからです。
分かりやすく言うと、進学塾で出した偏差値と、学校で出した偏差値はおそらく進学塾で出した偏差値のほうが低い傾向があるはずです。
理由は、進学塾に所属する母集団の学力が高いことが想像できるからです。
例えば高校Zの偏差値が以下表のような表記だったとします。
■ある高校Zの偏差値
A進学塾 |
偏差値52
|
B総合テスト |
偏差値55
|
C教育研究所サイト |
偏差値54
|
この場合、偏差値はどれを信用すればよいのでしょうか?
数値としてどれが一番信頼できるのかは、受験者が本番にどれだけ近いかによるので、この情報だけでは判断はできませんが、
目安としては偏差値55としておくのが一番無難なのかもしれません。
偏差値の求め方
次に偏差値の出し方です。
偏差値の計算方法
:偏差値=(あなたの得点-平均点)÷標準偏差×10+50
上記標準偏差とは受験した集団のテストの点の散らばりの事です。
要は学力がバラバラのテストの場合は標準偏差は大きくなり、ある程度学力を同一にした場合は、標準偏差が小さくなります。
大手塾で行われているものは比較的標準偏差が低い傾向があるようです。
では具体的に当てはめてみましょう。
例えば得点が70点、平均点が50点、標準偏差が20のテストがあったとします。
(70-50)÷20×10+50=60
偏差値は60になります。
偏差値をきちんと数値化する際にはこの標準偏差というものが必要なので、目安として自分の偏差値を出してみたいなあと思ったときに、
出すことが難しくなってしまいます。
そんな場合簡易的に以下計算式で偏差値を出すことができます。
簡易的な偏差値の計算方法
:偏差値=50+(あなたの得点-平均点)÷2
この公式に上記と同じパターンを当てはめてみます。
50+(70-50)÷2=60
一緒になりましたね。
あくまで簡易的な方法なので、厳密なものではありませんが、目安として自分の学校内での位置などを把握するのに利用できます。